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| 氷室浩次 | 愛すべき小品佳作。こんなのがひっそりと隠れているんだから、 巨匠(成瀬)のフィルモグラフィの中でのあまり語られない作品というのも、
ちゃんとチェックしないといけない(笑)わけでしょうか。 “くちづけ”をキー・ワードに、三人の監督が三つのエピソードを描いた
オムニバス映画です。 第１話 筧正典さんのパートは、可もなく不可もなく、といった具合。と ても小さな作品世界なのですが、丁寧に撮られていることに好感がもてます。 第２話 鈴木英夫さんのパートは、いつものように司葉子嬢とのコラボレ イション(？)で、ここでも『姉妹』と同じく妹役の中原ひとみが、場をさら います(^^)。 第３話 成瀬巳喜男さんのパートは、軽く笑わせるコメディ。成瀬タッチ なので、決して軽やかというのではないのですが、話そのものがどうでもい いような話(笑)なので、肩の力を抜いて楽しめます。 同居している若い看護婦(中村メイ子)と、医者である夫(上原謙)との、淡 い交流を疑う妻(高峰秀子)にとって、新任の看護婦が＊＊＊＊(クレジット には載っていない、或る若い美貌の女優)であると知ったときの驚きは、どれ ほどのものだろう。メイ子など(^^;)問題にならないわけですからね(笑)。 |