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| FT | 滅茶苦茶で、活きが良くて、とっても美しいラヴ・コメ痛快作。 いきなり出会った桜町弘子と内田良平が、喧嘩ばかりしながら、とにかく走
りに走って、最後は嘘みたいに乙女チックな（笑）ハッピーエンド（笑）。 世界にもまれなジェットコースター・ラヴ・コメたるゆえんは、一体いつふ
たりは相思相愛になったか、好きになったか、ということが一切描写されて いないこと（笑）。考えて見れば、そんな描写は、恋する二人には不要とい
うことか。 東映時代劇のローティーション女優で、いつも便利に使われている二線級女 優。にもかかわらず、なぜかいつも白けた顔している桜町弘子は、おそらく 日本映画では最も初期の＜シラケ派アイドル女優＞だが、加藤泰映画ではそ の本来の美質が光り輝く。加藤泰監督で桜町出演なら、問答無用で必見であ ろう。数年前の三池「仁義なき闘い２」（だったっけ）以後、なにかに出演 しているのだろうか、桜町。 |
| 氷室浩次 | 一見すると地味ですが、加藤泰の魅力が詰まった小品。 何度も行なわれる喧嘩・いさかいが、そのたびに大きくなっていく様子。 最初から決定的に選び合った二人が、しかし、そのいさかいのために、結ば れない様子。主人公の、女を投げ飛ばし、喧嘩相手を投げ飛ばし、むやみに 大きなものへ突っかかってゆく、その様子。 唖然とさせられます。傑作。 |