FJMOVIEが選ぶ、年度別ベストテン

1980年3位「ツィゴイネルワイゼン」

名前（敬称略）	コメント
Hero	鈴木清順の復活は桜の花と共にあったのですね。内田百�阨ｶ学の雰囲気を完 璧なほどに映像化していて，実に心地よいフィルムでした。どのシーンも本当 に素晴らしい！ 　熟れて熟れて完全に腐る直前の一番おいしいところを採って来られた奇跡に 感謝しなければならないと思います。
FT	日活時代の清順映画を後追いしていたものにとっては、随所に「おっ、やっ てるやってる」というシーンがあって、にこにこしながら見ていたのだが、 まぢめでアヴァンギャルドな映画を期待しているらしい観客はクスリともし ないのだった。 　すでに公開が始まっているのに、新たに撮影したさくらのシーンが追加され た、というのでまたのこのこ行ったら、そんなに変わり映えしていないので ノセられてしまった。 　鈴木清順の集大成であり、集大成を撮ったあと、全く壊れてしまったのは、 案外律儀な人なのかも知れない。 　余談であるが、この映画、どこをどう切っても内田百�闌ｴ作であるのは間違 いないのに、著作権者はなぜか原作にクレジットされるのを拒否。それだけ ならまだしも、天下の大愚作だけにとどまらず、どこにどう内田百�閧ｪいる のだ、という「まあだだよ」にクレジットするという噴飯もののことをし た。きっとあの世の内田百�閧焉Aオオバカな著作権者に憤死ものであろう。
堤　昌司	清順ファンでもない私には、蒟蒻を食べる映画ぐらいにしか見えませんけれど、 鎌倉の隧道のイメージと美術の美しさは格別でした。
たんじ	おかしくて笑ってしまうところがありました。なぜかおかしかったのは大谷 直子が笑顔でパチンと指を鳴らすと着物がするりと脱げ落ちるところ。それか ら「戸棚にちぎりこんにゃくがあります」のところ。 　怖くてぞっとするところがありました。「あの門付けたちは三人で夫婦にな りました」という大谷直子の台詞。原田芳雄が死んだ後，大谷直子が藤田敏八 のところに返しにもらいに来た本を藤田敏八が必死になって探すところ。友人 の医者に「人間の体から骨だけきれいに取ることができるのか？」と聞いたと ころも怖かったです。 　見終わった後の不思議な昂揚感を忘れることができません。
イズミアスカ	陽炎座がダメでこちらがＯＫな理由が自分でもわかりません。
誠太	面白い映画だが、この映画が日本アカデミー賞まで取ってしまったのには驚い た。大谷直子さん素敵でした。
ＴＡＫＵ	個人的にはこれが清順の最高傑作とは思いませんが、これ以降の彼の作品と比べ ると抜きんでたデキではあるのでしょうね。
氷室浩次	（文句無し） 　超短評　これ以降の作品に対しては手放しで喜べないけれど、この作品には ワクワクさせられ、たぶらかされる。大楠道代さんが素晴らしい。