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【作品賞】（10本まで）
「たそがれ清兵衛」 ４点
「阿弥陀堂だより」 ２点
「木曜組曲」 ２点
「光の雨」 ２点
「命」 ２点
「夜を賭けて」 ２点
「ハッシュ！」 ２点
「ドライブ」 ２点
「ドールズ」 １点
「なごり雪」 １点
【コメント】
今年の邦画は突出した作品が無いのと同時に小粒がポロポロという感じで
全体的に沈滞ムードの中で終わったようである。
そんな中で壮絶な死を見つめた「たそがれ清兵衛」「ドールズ」「光の雨」
「命」「阿弥陀堂だより」「木曜組曲」等は期せずして同じ様なテーマで
今年の上位を占めているのは単なる偶然の産物ではないように思うのだが。
大方の世相を反映してのこれは 何とも暗い気分にさせられてしまうが
せめて映画の世界だけでも もっと楽しい気分にさせて欲しいものである。
【監督賞】 作品名
[山田洋次] （「たそがれ清兵衛」）
【コメント】
この時代に生きた人々の姿がかくもリアルに迫ってくるこの時代考証と
決戦前の気分を切り替える獣と化したその厳しさがヒシヒシと伝わって
きて 近来にないしっかりとした時代劇が見られたことに拍手。
【主演男優賞】
[山本太郎〕 （「夜を賭けて」「光の雨」）
【コメント】
ここまで熱演を見せつけられると あの汗と泥によるバイタリティは
演技を越えた本能的な肉体の躍動の如く思え それを画面一杯に叩き
つけたこれは 邦画界に於ける希少価値かと。
【主演女優賞】
[裕木奈江] （「光の雨」）
【コメント】
人間を極限状態にもってゆく役割と その状態になったときに起こる
狂気の人間の姿と そして人間を潰しにかかるその姿は正視ができず
人相は勿論のこと 心までが鬼気迫るものがあり 演技とはいえ恐い。
【助演男優賞】
[大杉 漣] （「たそがれ清兵衛」「ドライブ」）
【コメント】
相変わらず多作で達者な演技を見せてくれるが「たそがれ清兵衛」での
あの凄みは次にくる田中泯同様この作品の重みを支える貴重な存在かと。
【助演女優賞】
[加藤登紀子] （「木曜組曲」）
【コメント】
あの研ぎ澄まされた冷たさの中で見せる 一瞬の笑顔と驚愕の表情
並み居る女優陣の中でも突出したその表情の魅力は恐怖と悲哀に満ちて。
【新人賞（キャスト部門）】
[市川実和子] （「コンセント」）
【コメント】
新人かどうか 定かではないが あのとぼけた表情から発せられる
独特の雰囲気は 惜しげもなく見せる見事な肢体とミスマッチして
一体彼女はナニモノか と深く考えさせてくれる異風の逸材と。
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