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【作品賞】（10本まで）
「バトル・ロワイアルII 鎮魂歌」 ８点
「ドラゴンヘッド 」 ７点
「踊る大捜査線 THE MOVIE ２」 ４点
「壬生義士伝 」 １点
【コメント】
『ドラゴンヘッド』ほど、絶望をこれほど見事なまでに表現した作品も他に例があ
りませんでしたが、『バトル・ロワイアルII 鎮魂歌』の壮大な世界観の前にはひ
れ伏すしかないでしょう。
オトナとコドモの対立を、支配と被支配との関係に置換えたのみならず、国家間
の対立にまで発展させたばかりか、深い哲学をも秘めた大作に仕上りました。
前作と変らぬ高いテンションを保つことができた『踊る大捜査線 THE MOVIE ２』
も特筆もの。
２作続けてきわめて上質なエンターテイメントぶりを発揮してくれたことは高い
評価に値します。外国映画も含め続編ものが目についた１年でしたが、『バトル・
ロワイアルII 鎮魂歌』と合わせ日本勢圧倒的優勢に終った感です。
今年はこの３作で決定といきたいところですが、やはり『壬生義士伝』も捨てが
たいところ。
上記３作品に比べいささか小粒の感を否めませんが、新撰組ブームの先駈けとい
うだけではない、きわめて中身の濃い作品に仕上りました。
【監督賞】
[本広克行 ] （「踊る大捜査線 THE MOVIE ２」）
【コメント】
監督個人の作品というよりは、プロデューサや組織(テレビ局)による集団作品と
いう感が強いですけど、しかしこれだけの作品をしかも２作つづけてまとめること
ができるのは、監督の手腕によるところも大きいでしょう。
【主演男優賞】
[藤原竜也 ] （「バトル・ロワイアルII 鎮魂歌」）
【コメント】
『陰陽師II』の野村萬斎も捨てがたいですが、作品が主役一人のワンマン映画に終
始してしまったところが残念でした。
藤原竜也の予想以上の成長ぶりは意外(といっては失礼か)で、テロリストとして
の貫禄も充分。将来がますます楽しみです。
【主演女優賞】
[深津絵里 ] （「踊る大捜査線 THE MOVIE ２」）
【コメント】
『黄泉がえり』の竹内結子、『あずみ』の上戸彩も悪くありませんでしたが、今回
はこの人に授賞させたい。
地味にみえる女優さんですし、恩田すみれという役は、あるいは(いい意味で)主
演ではなく助演なのかもしれませんが、にもかかわらずこの大作を支えることがで
きたのも、役者としての力量のゆえでしょう。
【助演男優賞】
[村田雄浩 ] （「壬生義士伝 」）
【コメント】
全賞を通しもっとも激戦区となったところ。
『壬生義士伝』は各出演者の名演ぞろいでした。
観た当時は語り手である佐藤浩市がその中でも群を抜いていると思っていました
が、あとになって考えると、この聞き手の味わい深い演技があってこそこの物語が
支えられていたのではないかと思い返すようになりました。
【助演女優賞】
[真矢みき ] （「踊る大捜査線 THE MOVIE ２」）
【コメント】
この大作の最大の瑕は沖田管理官の役回りでしょう。
単なる悪役にとどまらず、役柄がステレオタイプとなってしまいました。いうま
でもなく脚本の瑕疵に他なりませんが、この人の演技の巧さでその瑕も最小限に留
めることができました。
ここが前作と大きく異なるところ。続編とはいうものの前作に見劣りしない傑作
になりえた最大の要因でしょう。
【新人賞（キャスト部門）】
[ＳＡＹＡＫＡ ] （「ドラゴンヘッド」）
【コメント】
【新人賞（スタッフ部門）】
[深作健太 ] （「バトル・ロワイアルII 鎮魂歌」）
【コメント】
父親の衣鉢を継いだとはいえ、新人であれだけの作品をまとめることができた手
腕はさすが。
この映画はどうしても父親の映画とみられてしまうところがありましたが、決し
てそうでないと思います。次作でもその実力を十二分に発揮していただきたいもの
です。
【脚本賞】作品名
「踊る大捜査線 THE MOVIE ２」
【コメント】
助演女優賞のところで述べたように、決して完成度が高いとはいえませんが、３
つの事件をからませながら壮大な構築物を築いていくさまは、高く評価すべきでしょ
う。
【映像賞】
「ドラゴンヘッド 」
【コメント】
『あずみ』のアクションもすばらしかったですが、今年の特筆ものはなんといって
もこの作品。
この映画に漂う絶望感・虚無感もすべてこの映像があってこそです。文句なし。
【音楽音響賞】
「 」
【コメント】
該当なし。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆吟遊詩人 EmNifty 2.37
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