日本映画部門

【作品賞】（10本まで） 　　「鏡の女たち」　　　　　　　　　　　　　４点 　　「赤目四十八瀧心中未遂」　　　　　 ３点 　 「蕨野行」　　　　　　　　　　　　　　　 ３点 　　「阿修羅のごとく」　　　　　　　　　　　２点 　　「ホテル・ハイビスカス」　　　　　　　 ２点 　　「黄泉がえり」　　　　　　　　　　　　　２点 　　「ぼくんち」　　　　　　　　　　　　　　　１点 　　「ナイン・ソウルズ」　　　　　　　　　　１点 　　「ドッペルゲンガー」　　　　　　　　　 １点 　　「昭和歌謡大全集」　　　　　　　　　 １点 　 【コメント】 　　　大手でなく地道に作られた作品たちが独自の光を放って輝いているのんは嬉しい 　　　けど　ちょった悲しい気がせんでもおまへんなぁ・・・。 　　　中でも懐かしい監督(吉田喜重・恩地日出夫)によるそれぞれの問題提起は 　　　今の悩める日本にとってはまさにピッタリやんけ！という感じで・・・。 　　　また中堅所(森田芳光・滝田洋二郎・崔洋一・阪本順治)はオモロイ映画という面 　　　ではそのエンターテイメント性を如何なく発揮してそれなりのお仕事をこなし 　　　今最も油の乗ってる篠原哲雄に到っては対照的な二本(「オー・ド・ヴィ」「昭和 　　　歌謡大全集」)でその才気に酔わせてもらい　同じく黒沢清の「アカルイミライ」 　　　「ドッペルゲンガー」においてもその特異性で見物人を金縛りに・・・。 　　　それにいっつも独自のカラーで撮り続けてる中江裕司の「ホテル・ハイビスカ 　 　　　ス」や青山真治の「月の砂漠」　河瀬直美の「沙羅双樹」　塚本晋也の「六月の 　　　蛇」　三池崇史の「許されざる者」なども昨年の貴重な曲者として　より一層 　　　映画の持つ多面的な雑多な面白さを魅せてくらはりました。 　　　そやけど 　　　だいたいが万遍なくそれなりの映画を作り　楽しませてくらはったと・・・。 　　　ちょっと残念なんは毎年の常連さん　市川準・大林宣彦・中原俊等のお顔が 　　　見られなんだことでんな。 【監督賞】　　　　　　　　　　　　　　作品名 　　 [恩地日出夫] 　　　　　　　　（「蕨野行」） 【コメント】 　「蕨野行」において　今まさにこの国で起こってる高齢化社会の現状を　地方の 　村に置き換えての物語は　残酷ながらも大いなる教訓が含まれてるみたいでんな。 【主演男優賞】 　　 [役所広司] 　　　　　　　　　（「ドッペルゲンガー」） 【コメント】 　役所広司の全く性格の違うおんなじ男を演じ分けながらの奮闘振りは　何となく 　楽しみながらやってるみたいなとこが有るけど　やっぱし見事なもんでんな。 【主演女優賞】 　　 [寺島しのぶ] 　　　　　　　　（「赤目四十八瀧心中未遂」） 【コメント】 　寺島しのぶのまさにハダカの身体に刺青を張っての体当たり演技は素晴らしく 　最早母チャン（片肌だけの藤純子）を越えてもーた感じでんな。 【助演男優賞】 　　 [松重　豊] 　　　　　　　　　（「刑務所の中」「オー・ド・ヴイ」） 【コメント】 　松重豊のどーしょうもないとぼけたにーちゃんと　強面のやっちゃんのどっちを 　演じても様になるあのそれぞれの演技には　思わずニンマリもんでんな。 【助演女優賞】 　　 [余貴美子] 　　　　　　　　　（「ホテル・ハイビスカス」） 【コメント】 　余貴美子の弾けるような快晴丸出し沖縄カーチャンの演技は見てて元気を貰えた 　みたいで　今更ながらその達者ぶりに脱帽でんな。 【新人賞（キャスト部門）】 　　 [清水美那] 　　　　　　　　　（「蕨野行」） 【コメント】 　美しくもなく汚くもなく　ベテラン連中の中での新鮮な輝きは大したモンで 　ややもすれば暗くなりがちなこの作品に一筋の光を投げかけたみたいでんな。 【脚本賞】作品名 　　「阿修羅のごとく」 【映像賞】 　　「赤目四十八瀧心中未遂」 【音楽音響賞】 　　「昭和歌謡大全集」