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【作品賞】（10本まで）
「美しい夏キリシマ」 ４点
「誰も知らない」 ３点
「血と骨」 ３点
「父と暮せば」 ２点
「風音」 ２点
「レディ・ジョーカー」 ２点
「茶の味」 １点
「ふくろう」 １点
「ホテルビーナス」 １点
「６９」 １点
【コメント】
実力者黒木和雄が日本の影の部分を真正面から描いた秀作を二本も完成させ
異色者石井克人(茶の味)・李相日(６９)・タカハタ秀太(ホテルビーナス)・
ＳＡＢＵ(幸福の鐘)がそれぞれ独自の世界を面白おかしく見せてくれたこの
年は 真ん中ぐらいのオモロイ作品が見当たらなかったのはちょっと残念。
けど 崔洋一が｢クイール｣とは打って変って作り上げた渾身の快作｢血と骨｣
は最近にないパワフル溢れた人間描写でもって 現状に活を入れたみたいで
それなりにショッキングな出来映えで。また 最長老新藤兼人の｢ふくろう｣も
年に似ず相変わらず脂っこい主題で 楽しみながら作った様な独特の作品で。
平山秀行の力作｢レディ・ジョーカー｣は 高村薫の意思を尊重したがあまり
筋書や映画的結末を捨てその世界に徹したちょっと難解な作品となった様で。
大好きな篠原哲雄(深呼吸の必要・天国の本屋〜恋火)や 観る度に落胆する
三池崇史(着信アリ・ゼブラーマン・ＩＺＯ)や どっちでもええ犬童一心
(ジョゼと虎と魚たち・死に花)等が それぞれ癖を持たした二本づつの作品
群もそれなりの世界を描いて見せてくれ 根岸吉太郎(透光の樹)と森田芳光
(海猫)にはちょっと不満を感じつつ 東陽一(風音)には大いに満足し 不作
ではないけど豊作でもない邦画の２００４年でおました。
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【監督賞】 作品名
[黒木和雄] （「美しい夏キリシマ」「父と暮せば」）
【コメント】
戦中戦後を生き抜いた女の姿を描く事で戦争そのものを間接的に描き上げて
戦場ではなく 内地であらゆる苦悩と戦った女の姿を悲しく美しく辛く訴え。
【主演男優賞】
[ビートたけし] （「血と骨」）
【コメント】
まさに 彼の為の映画みたいで その気狂いじみた強烈な人間像はピッタンコ。
【主演女優賞】
[大竹しのぶ] （「ふくろう」）
【コメント】
まさに ポスト乙羽信子を その個性溢れる演技力でおみ足広げてサァオイデ。
【助演男優賞】
[新井浩文] （「ラブドガン」「血と骨」）
【コメント】
まさに 凶暴なる若さを内面に秘めて それが演技力となって爆発がドカンと。
【助演女優賞】
[鈴木京香] （「血と骨」）
【コメント】
まさに 悲しみを一身に背負い込んだ 生身の女の汚れ役で 見事なオモニを。
【新人賞（キャスト部門）】
[一青窈] （「珈琲時光」）
【コメント】
まさに 新人らしからぬ場慣れた仕草で 今風でありながらも古風なオンナを。
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