質問：（質問：以下−と記載）
昨年は「皆月」「日本黒社会 LEY LINES」など望月監督、三池監督作品を含めたくさんの作品にお出になられ、昨年は北村さんの年と言っても過言ではないと思います。
初めに「皆月」についてお聞きしたいと思います。
映画を観た後、原作を読んだのですが、アキラ＝北村さん、そのものだと読みながら驚いていましたが、脚本を初めて読んだ時の印象は如何でしたか？
北村一輝さん：（以下：北村と記載）
脚本を読んだときは、やっぱりやりたいと思いましたよね、脚本がもの凄く面白いので。荒井監督の脚本作品もやってみたいと思っていましたし。ただ、脚本が良すぎると怖いんですよね、文章で言うのとセリフに出して言うのは違うので、だから、荒井さんの許可を取って、ドッキとする言葉を、わざと自分なりにちょっと濁したセリフにしたりしましたね。
−：「皆月」へのオファーはいつ頃？
北村：ぎりぎりという事はないんですが、「皆月」はキャスティングで何度も何度も変わったそうなので。奥田さんもそうだし、だから主演が変わるということで、まわりもそうですし。
−：監督は北村さんにアキラ役は決めていたそうですが
北村：ええ、あとで聞きました。あとは、永瀬さんの名もあがっていたりしましたが、結果的に役が自分に決まったのでよかったですよね。
−：望月監督から制作期間が長かったとお聞きしましたが、北村さんのパートは
北村：撮影は３週間くらいでしたね
−：仕上がるまでには、ロケとか制作会社との兼ね合いでクランクインの時期とか諸々の事情があるのでしょうね。
北村：撮影に関しては、ハードだったという話も聞きますが
僕自身はいつも、どの作品でも、そんなにハードとは思わないんですよ。
どちらかと言うと撮影は楽しいし（笑）、短いとその分、集中できるし。
−：観る側からは、北村さんの作品はどれもハードにおもえますね。(笑）
−：北村さんは、望月監督、三池監督のたくさん作品に出演されておりますが北村さんから観て 現場でのお二人は、やはり違いますか。
北村：ええ、全然違いますよ（笑）。三池さんと望月さんというと、ちょうど三池さんはビデオの時「喧嘩の花道」から一緒ですし、なにやかにやと出演しなくても、ワンシーン、ワンカット出たりして。
「DEAD OR ALIVE」もそうだし「アンドロメディア」もそうですし。ホントに気づかない役で、遊びにいく感じで。
−：いいですね。三池さんというとフォーラムでは「喧嘩の花道 大坂最強伝説」が三池さんの最高傑作と言う話もあったり。
北村：あれはいいですね、僕は「喧嘩の花道 大坂最強伝説」は三池さんの中でも最高傑作ですね。
−：この作品はいつ頃の作品ですか？
北村：９６年あたりと思いますが、４，５年前ですね。
−：この辺りから映画の方にお出になられていたのですか
北村：最初に出たのは、もう１０年くらい前なのですが、プロフィールにも書いてないし、エキストラとしても小さいのを何本かやっているから、自分でもどこに出てるか分からなかったり。
−：「ＬＵＮＡＴＩＣ」あたりでしょうか、大々的に出てきましたのは。
北村：「ＬＵＮＡＴＩＣ」？、その前に暴走族物もやったりしていましたがそうですね、「ＬＵＮＡＴＩＣ」あたりかもしれませんね。
−：北村さんは深作監督の作品がきっかけとなって、俳優になろうと思ったというお話をお聞きしましたが
北村：ビデオで「蒲田行進曲」を観まして。そんな映画少年じゃなくて、どちらかとというとハリウッド映画ばかりで、小学校の時にスターウオーズを見た時代なので、ずっとその様な映画ばかりで、邦画をみる機会はないし、つまらないものだと決めていたのですが、たまたま「蒲田行進曲」みたときに、これは面白い、こんな映画があるんだと思いました。そして、いろいろ観て、この監督の映画に出たいなと思い、自分は映画に出るんだと決めました。
−：そして、上京してきたのは、二十歳ぐらいの頃ですか
北村：１９の時、上京してきましたが、まず何をしたら良いのか分からなくてとりあえずエキストラ関係を廻って、徐々にという感じでした。
−：では、深作監督の作品に出るのは夢と言いますか
北村：夢と言うか、やりたいですね 凄く。
−：「人斬り五郎」の北村さんも素敵でしたが、深作監督の作品に出演するとしたら、ヤクザ任侠物というよりは、「蒲田行進曲」の様な人情物でしょうか
北村：あまり、ヤクザ映画が好きとか嫌いということも無いし、ただ、ヤクザＶシネマは好みではありません。全て出ないという事ではなく、本が面白くて、良い監督だったら出たいという部分もあるし、どこかで仁義なき戦いもカッコ良いと思う面もありますね。
ケースバイケースだと思います。自分に今この様なものが必要かどうかという事も考えますし。
（No.2に続く）